オンラインショップ 一汁一菜亭
2025年10月1日より商品の価格を改定させていただきます。詳細は お知らせ をご覧ください。

「麹歩合」とは?味噌選びがもっと楽しくなる豆知識をご紹介!

2025/10/31
麹歩合 味噌

皆さんは、「麹歩合」という言葉をご存じですか?味噌の味を左右する「麹歩合」は味噌仕込みで重要な観点です。初めて聞く単語という方も多いと思いますが、最近この「麹歩合」に関するお問合せが急増しています。

味噌選びのポイントは「無添加」「減塩」「有機」――など大切なポイントが沢山ありますが、今日からはぜひ「麹歩合」も味噌選びポイントの1つにしてみては如何でしょうか。

この記事では、麹歩合の基礎知識から、パッケージの裏面だけでおおよその麹歩合を推測する方法までを分かりやすく解説していきます。

「麹歩合」とは? 味噌の味を決める基本構造

麹歩合の定義

麹歩合とは、大豆の重量に対して、米麹(または麦麹・大豆麹)がどれだけ使われているかを示す比率です。伝統的に「割(わり)」と表現されます。

具体例:

 ・十割麹:大豆10に対して、米麹10(標準的なバランス)

 ・二十割麹:大豆10に対して、米麹20(米麹をたっぷり使った甘口タイプ)

味噌の種類と麹歩合の関係

日本の味噌は、使う麹の種類で大きく3つに分類されます。

麹の種類麹歩合の傾向味の特徴主な産地
米味噌5〜20割超(幅広い)甘口から辛口まで多様全国(信州、会津、越後など)
麦味噌10〜15割(やや高め)芳醇な香りとほのかな甘味九州、四国
豆味噌5割前後(低い)濃厚な旨味と深いコク東海(八丁味噌など)

なぜ麹歩合で甘さが変わるのか?

麹歩合が高い = 米麹が多い → 麹菌の持つアミラーゼ酵素が米のデンプンを分解 → 「糖(甘味)」が大量に生成される というイメージです。

つまり、麹の量が多ければ多いほど、味噌は甘くなるのです。ただし、砂糖の甘さではなく、米由来の自然な甘さである点がポイントです。

麹歩合の違いでこんなに変わる!

麹歩合は単なる味の指標ではありません。発酵過程で生成される栄養素の量や、相性のよい料理も変わってきます。詳しく見ていきましょう。

麹歩合が高い味噌 (15割以上):美容と腸活の味方

麹歩合 味噌

西京味噌や甘口の白味噌がこのタイプです。一般的に味噌は天然醸造の場合半年以上じっくりと時間をかけて熟成させますが、これらの味噌は熟成や期間が非常に短く、熟成方法も若干異なります。

健康面のメリット

酵素が豊富:消化を助けるプロテアーゼ、アミラーゼが活発に働く

アミノ酸が多い:旨味成分のグルタミン酸が効率的に生成される

腸活に最適:麹由来のオリゴ糖が腸内環境を改善

塩分控えめ:麹の甘味が強いため、相対的に塩分を抑えられる

おすすめの料理

西京焼き:酵素の力で魚や肉を柔らかく、上品な甘味を加える

和え物・ドレッシング:まろやかな風味でサラダやディップに

あっさり味噌汁:素材の味を引き立てる優しい仕上がり

標準~麹歩合が低い味噌(10割以下):コクと高い保存性の伝統派

麹歩合 味噌

豆味噌や東北を代表とする赤色系の米味噌がこのタイプです。

特徴

濃厚な旨味:大豆の比率が高く、タンパク質が豊富

深いコク:長期熟成型で旨みとコクの複雑な味わいが生まれる

保存性が高い:塩分濃度が高めで、長期保存に適している

おすすめの料理

具だくさん味噌汁:食材の旨みとの相乗効果が抜群です

煮込み料理:もつ煮込み、サバの味噌煮など、濃厚な味付けに

隠し味:カレーやシチューに少量加えてコクを出す

パッケージからおおよその麹歩合を推測する3つのポイント

麹歩合 味噌

パッケージに麹歩合が書いていなくても大丈夫です。裏面表示の情報から、麹歩合をある程度推測することができます。

原材料の順番をチェック

食品表示法では、原材料は重量が多い順に記載されます。つまり、この順番が最大のヒントです。

「米麹」が「大豆」より先 → 10割以上

この場合、米麹がたくさん使われているため、味わいは「甘口」タイプ。さらに、塩分も控えめなので健康志向タイプともいえます。

ただし、十割麹(大豆と麹の量が同量)の場合、メーカーによっては大豆が先頭に記載されている場合もあります。

「大豆」が「米麹」より先 → 9割以下

東北地方などで定番の「辛口」タイプ。大豆の旨みが強くしっかりしたコクも楽しめます。いわゆる、昔ながらのお味噌です。

塩分(食塩相当量)と組み合わせて判断

原材料の順番と塩分(食塩相当量)を合わせて見ることで、味噌の個性がより明確になります。

迷ったらこれ!バランス重視の万能タイプ

原材料欄で「麹」が先頭に表示されている+栄養成分表示の「食塩相当量」が(100gあたり)10g前後

→甘味と旨みのバランスがよく、塩分も控えめの現代的な味噌です。

伝統の旨み重視タイプ

原材料欄で「大豆」が先頭に表示されている+栄養成分表示の「食塩相当量」が(100gあたり)12g前後

→少量でしっかりと風味がでる。十分な塩分なので、保存性も高い伝統的な味噌

③味噌の色で判断する

味噌の色は、熟成期間と麹歩合のヒントになります。

白色〜淡白色:高歩合、短期熟成、甘口傾向

赤褐色〜濃褐色:低歩合、長期熟成、辛口傾向

【重要】保存上の注意

麹歩合 味噌

夏場など気温が高い季節になると、本来白~淡色の麹歩合の高い味噌は、茶褐色に変化しやすくなります。味噌はだいたい20℃以上になると熟成が進み始め、徐々に色が濃くなり、香りも変化していきます(メイラード反応)。しかし、白~淡色系のお味噌が茶色くなってしまっても品質に問題はありません。お味噌は常温でも保存可能ですが、冷蔵庫で保管していただくと、着色の進行を抑えることができます。色や香りの変化も味噌の醍醐味と思ってお料理等にお使いください。

用途別に考える、味噌の選び方

これだけ沢山の分類があると、どれを選べばよいか逆に迷ってしまうかもしれません。そんな時は、どんな目的で味噌を選びたいかを考えてみることをお勧めします。 例えば、味噌の塩分を気にされる方は、淡白色の低塩~減塩タイプのお味噌、万能型が良い方は10割麹、など、まずはいろいろな味噌を試してみて、理想の味噌を見つけるのも楽しいですよ。

目的パッケージの見方おすすめの使い方
健康・美容重視麹が先、色が淡い、塩分10%前後肉屋魚の漬け床、ドレッシング、素材を活かす味噌汁
コクのある和食大豆が先、色が濃い、塩分12%前後煮込み料理、豚汁
万能タイプ10割前後、バランス型毎日の味噌汁、味噌炒めなど幅広く

いろいろな麹歩合の味噌を楽しむコツ

麹歩合 味噌

複数種類の味噌をブレンドしてみる

高歩合と低歩合の味噌を常備し、料理によってブレンドすると、深みが劇的に向上します。

コク深い味噌汁・豚汁:高歩合7割 + 低歩合3割

魚料理の臭み消し:低歩合の豆味噌や麦味噌を少量加える

高歩合味噌は「万能調味料」

高歩合の味噌は、酵素の働きで肉や魚を柔らかくする効果があります。

鶏肉・豚肉・牛肉の漬け床に:甘口味噌に漬け込むと、プロテアーゼの力でしっとり柔らかに。

ステーキソースにも:塩分控えめなのにコクがあるので、ビネガーやマスタードと合わせれば洋風ソースに大変身!

今日から始める「理想の味噌選び」!

この記事で学んだポイントをおさらいしましょう。

麹歩合は、味噌の甘味、酵素量、健康効果を決める大事な指標
原材料の順番塩分濃度で、おおよその麹歩合を推測できる
用途に合わせて選ぶことが、最高の味噌選びの秘訣

会津天宝オンラインショップ一汁一菜亭ではバラエティ豊かなお味噌をご用意しています!

味噌カテゴリ一番人気!「こうじみそ」

麹歩合 味噌

クリーム色の見た目からわかる通り、麹歩合の高い減塩タイプのお味噌です。その麹歩合は十四割!自然な甘みと、味噌の旨みのバランスが良く、「一度食べたらこのお味噌以外考えられない!」というお客様多数。地域問わず全国にファンが多くいらっしゃる商品です。優しい味のお味噌汁をお召し上がりいただけるのはもちろん、肉や魚の漬け床にもピッタリ!また、味噌汁に溶く味噌の量を多めにすると、ポタージュのような上品なお味のお味噌汁が完成します。

会津味噌の定番「田舎みそ」

東北地方特有の赤色系粒みそです。塩分相当量は12.5g。しっかりとした旨みと香りが特徴です。この「田舎みそ」と「こうじみそ」をブレンドさせて作る豚汁が絶品!

まだ珍しい?「玄米みそ」

通常の味噌は白米からなる米麹で仕込みますが、会津天宝では「玄米麹」で仕込んだ「玄米味噌」も取り扱っています。玄米特有の香ばしさを感じる玄米味噌は、他にはない美味しさです。会津味噌の特徴でもある粒みそなので、しっかりとした玄米麹の粒もそのままお楽しみ頂けます。お味噌汁の底にたまった麹の粒も残さずお召し上がりください。また、内容量もお試しにちょうど良い小サイズ(350g)です。

なんと、会津天宝の味噌は、24時間365日クラシック音楽が流れる熟成庫でじっくりと味噌を熟成させています。味噌・醤油・清酒と、発酵が盛んな街福島県会津若松で150年以上醸し続けている自慢の味噌をぜひこの機会にお試しください。

そのほかの味噌はこちらからご確認頂けます。