発酵食品は離乳食にも、産後ママの栄養補給にも大活躍!
2023/06/02離乳食は、母乳やミルクから栄養を摂取していた赤ちゃんが、食べ物から栄養を摂るために、色々な食材の味や食感に慣れるための食事です。
生後半年頃までは、母乳やミルクから得る栄養で十分ですが、体が大きくなるにつれ、母乳やミルクだけでは栄養が足りなくなってしまいます。
赤ちゃんが食べ物に慣れる大事な時期だからこそ、離乳食を考えたり作ったり実際に与えたりという時間は本当に大変…。
筆者も、育休中は、何を食べせようか、どうやって進めれば良いのか、こんな離乳食で良いのか…と、暇さえあれば離乳食のレシピや進め方などありとあらゆる情報をインターネットで検索をする日々が続きました。
慣れないうちは何時間もかけて作った離乳食の冷凍ストック。満を持して離乳食タイム!と思ったのに食べてくれない。味付けに失敗して美味しくない。なんだか悲しくなってくる…の負ループに陥ることもありました。
でも、ニコニコしながら食べてくれる姿が本当に嬉しくて、それを励みに毎日頑張っていました。
そして、離乳食後期からは、発酵食品や発酵調味料を使うことで離乳食づくりがうんと楽になりました。
この記事では、そんな実体験をもとに、発酵食品を使った離乳食のコツをご紹介します。
離乳食に利用できる発酵食品 一覧
発酵とは、微生物の力で、食材に含まれる栄養素を分解したり新たな栄養素を生成したりすることを指します。
発酵食品は、微生物によって栄養価が強化されるだけでなく、味や香りが増し、乳酸菌をはじめとする善玉菌を多く含んでいるため、健康にも良い食材です。
発酵食品は、キムチやワインなど世界中にたくさんの種類が存在しますが、ここでは離乳食にも使える発酵食品を紹介します。
・味噌
・醤油(醤油糀)
・塩糀
・納豆(初期は粉納豆、中期頃からはひきわり納豆がおすすめ)
・糀甘酒
・ヨーグルト(プレーン)
・粉チーズ(中期頃から)
酢は離乳食後期(9~11ヶ月)ころから与えることができますが、赤ちゃんは酸味を嫌がる傾向があります。無理せず赤ちゃんの様子を見ながら食事に摂り入れるようにしましょう。
みりんも和食に欠かせない発酵調味料です。みりんにはアルコールが含まれていますので、離乳食に使う際はよく加熱してアルコール分を完全に飛ばすようにしましょう。みりんは、甘みや照りを出すために使用することが多い調味料です。離乳食に甘みを加えたい時は、麹甘酒を代用することもできます。
味付けに迷ったら、味噌・塩麹・醤油麹・米麹のあまざけのを使うのがおすすめです。
塩味のある味噌・塩麹・醤油糀はうまみもたっぷり含まれているため、ほんの少し加えるだけでも食材本来の味も引き立てられます。
米麹甘酒は、離乳食期のおやつにもぴったりです。米こうじ甘酒の甘さは、麹菌に含まれる酵素の力で、お米のでんぷんがぶどう糖に変化したものです。お米本来の甘さなので、赤ちゃんでも安心してお飲み頂けます。そのまま飲めるストレートタイプは、大人が飲む分にはちょうど良い甘さですが、離乳食期の赤ちゃんにとっては甘みが強いため薄めて飲ませると良いでしょう。
離乳食の進め方と味付けのコツ
1.離乳食初期(ゴックン期/生後5~6ヶ月頃)
食べ物に慣れていない赤ちゃんは、味覚にとても敏感です。
赤ちゃんは消化器官も未発達なため、食材は良く加熱し、消化吸収しやすい状態にして与えます。
少しずつ食べ物に慣れるように、まずはドロドロのペースト状から始めます。
できるだけ味付けをせず、野菜のペーストなど素材の味をそのままあげると良いでしょう。
味付けをする場合はかつお節や昆布などでとっただしがお勧めです。味の目安は、大人向けの味付けを4~5倍薄めた程度です。「え?味する?」「こんな薄味でいいのかな?」くらいで大丈夫です。お吸い物として飲ませてあげたり、お粥に混ぜたり、野菜ペーストをだしでのばしたりしてあげてみてください。
市販の顆粒だしには食塩などが入っていますので、もう少し大きくなったら使うことをおすすめします。
2.離乳食中期(もぐもぐ期/生後7~8ヶ月頃)
この頃になると、主食も7倍粥になり、食材の固さは舌で潰せるくらい柔らかさ(お豆腐くらい)が目安になります。食べても良い食材も増え、いろんな味覚える時期です。
この時期も、味付けをしたい時はだし汁でうまみを加えてあげるのがよいでしょう。
おすすめは、食材を何種類か組み合わせ、だし汁を加えて片栗粉で少しとろみをつけた野菜たっぷりスープです。水分を調整すれば五目煮風にもなり、満足感のあるおかずの完成です。
デザートには、「麹甘酒ヨーグルト」。プレーンヨーグルトに米麹甘酒をほんの少しかけて完成!赤ちゃんの腸活にもなるのでおすすめです。
3.離乳食後期(カミカミ期/9~11ヶ月頃)
これまでと比べ、少し噛み応えのある食材に挑戦します。といっても、歯茎で潰せるくらいの固さです。この頃から、つかみ食べができるようになり、味付けも薄味であれば可能になります。
生まれて初めての塩味には、味噌汁の上澄みがおすすめです。もちろん大人が飲む味噌汁を薄め、塩分を極力控えた味噌汁ですが、赤ちゃんには十分な美味しさです。
味付けができる時期になりましたが、どんな調味料をどのくらい使えば良いのか分からないという方もいらっしゃると思います。それまでほぼ素材の味だけだったので、出来るだけ味付けも自然なものから慣れさせたい…という方におすすめしたいのが、味噌・塩麹・醤油麹です。
もちろん普通の塩でも良いのですが、塩糀は麹の酵素の力で米のデンプンがブドウ糖に、たんぱく質がアミノ酸に分解されているで、塩味だけではなくほんのりとした甘みやうまみも感じることができます。離乳食に使う量はもちろんほんの少しで超塩分控えめです。スープや煮物風、和え物に便利です。
醤油麹に含まれるうまみ成分(グルタミン酸)はなんと塩麹の10倍もあると言われています。そのまま舐めてみると、強烈なうまみが口いっぱいに広がり、思わず沢山味見していしまいそうになります。
液体の醤油よりもまろやかなので味付けは醤油糀だけで十分です。こちらも、離乳食の味付けに、ごく少量加えます。
塩麹と醤油麹は、簡単に手づくりすることができます。
塩麹・醤油麹の作り方
どちらも材料を混ぜ、
①常温で保管し一日1回清潔なスプーンでかき混ぜる。10日程繰り返し、麹がやわらかくなりまろやかな味になったら完成
②ヨーグルトメーカーにセットし、60℃で8時間保温して完成
離乳食だけでなく、塩麹と醤油麹は普段の料理にも便利です。煮物、炒め物、和え物、汁物、漬物、手づくりドレッシングにと、簡単に美味しく味付けができるので本当に料理が楽になりますよ。
離乳食後期からは、大人と同じ料理を途中でとりわけ、味付けだけ赤ちゃん用と大人用に分けてご飯を準備することができます。薄味の状態で赤ちゃんの分を分け、大人用は調味料を足して完成させます。
麹甘酒は、おやつにも、砂糖の代わりにもなります。麹甘酒の甘味はお米本来の甘味なので、離乳食にもぴったりです。飲むのにちょうどよいストレートタイプの甘酒でも、赤ちゃんにとっては強い甘みになりますので、与える時は薄めてあげるようにしましょう。あまざけはゼラチンで固めれば簡単に甘酒ゼリーにもなりますよ。
4.離乳食完了期(パクパク期/12~18ヶ月ころ)
ごはんもお粥から軟飯になり、形のあるものを咀嚼することができるようになります。栄養の大半を食事からとれるようになり、卒乳(離乳)を迎えます。
手づかみ食べや、スプーンやフォークを使って自分で食べたいという意思が強く出てくる時期でもありますので、楽しく食事ができるメニューを心掛けましょう。
味付けも、薄味を心掛けながらも徐々に変化を加えていきます。この時期でも発酵調味料はさまざまな料理に大活躍です。
カレーやから揚げなど、1歳を過ぎると食べれるメニューがぐんと増えます。
子どもの味覚の発達
初期から完了期までの過程で、一貫しているのが「薄味」ということです。
子どもの味覚の発達のピークは3~4歳と考えられており、10歳ころまでに経験した味がその後の味の基礎になると言われています。幼いころから濃い味に慣れてしまうと、無意識のうちに塩分・糖分の摂りすぎが常態化してしまい生活習慣病になるリスクが高まります。
この記事でも繰り返し出てくる「うまみ」は素材の美味しさを引き立たせてくれるため、塩分・糖分を抑えた薄味でも「美味しい」と感じさせてくれます。だし汁はもちろん、かつお節や昆布などうまみを多く含む食材や発酵調味料を上手に活用することは、味覚や将来の健康にも良い影響を与えます。
健康な腸内環境にも、幼少期の食事が重要
私たちの腸には、600兆~1,000兆個もの腸内細菌(腸内フローラ)が住み着いていると言われています。私たちの体を守る免疫細胞の約7割が腸に集中していて、腸内環境が整うと、免疫力が高められることが分かっています。
その重要な腸内細菌(腸内フローラ)は、どうやって形成されるのでしょうか。
胎児の腸内は無菌状態です。赤ちゃんは、産道を通る時に母体から菌をもらって腸内細菌が作られ、生後口にする食べ物や生活環境によって多様化していきます。生後3ヶ月から1歳2ヶ月頃に腸内細菌は大きく発達し、3歳ころまでにはその基礎が確立されると考えられています。
腸内細菌(腸内フローラ)は、食生活、環境やストレスによって変化します。幼少期から腸を健康に保つためにも、善玉菌を増やして腸内環境を整えると言われている食物繊維を含む野菜や、発酵食品などを積極的に取り入れ、お子様の月例に合った調理法で、色々な種類の食材を与えることが理想的です。
一方、悪玉菌が増殖する原因の一つは動物性脂肪・砂糖・塩分の摂りすぎです。悪玉菌の増加は、便秘や様々な疾患に繋がる恐れがあります。
幼少期の消化器官は未熟で、大人とほぼ同じ働きができるようになるのは8歳頃と言われています。
ベビーフードや市販の食品、外食などもうまく利用しながら、発達に合った食の進め方を心がけましょう。
子育て中のお母さんの栄養補給におすすめの玄米甘酒
麹甘酒は、離乳食にも使える発酵食品ですが、授乳中・子育て中のお母さんの栄養補給にもおすすめです。特に、産後は母乳を作るために沢山の栄養が必要です。喉も物凄く乾くし、すぐお腹も空きます。
通常の米麹甘酒ももちろんおすすめですが、特におすすめしたいのが玄米甘酒「玄米オリザーノ」です。玄米は、日本人に不足しがちな食物繊維やミネラルをはじめとした栄養素が白米よりも豊富に含まれています。玄米は味や食感が独特なうえに炊飯するのも時間がかかるため、主食としている家庭はそれほど多くありませんが、健康・美容ブームで玄米が再び注目されています。
玄米甘酒「玄米オリザーノ」は、玄米を丸ごと甘酒にしていて、お粥のような食感が特徴です。さらに注目すべきは、「腸活」ができる甘酒ということ。
「飲むのをやめると便秘になる」「腸の調子がよい」など、たくさんのご感想を頂いています。
玄米オリザーノは、発酵食品なので玄米ご飯よりも効率よく消化吸収されます。産後、特に栄養をたくさん取らなければならない方の間食にも便利ですよ。
発酵食品は、産後のお母さま方の味方です!
離乳食も、お母さんの栄養補給も、日本の伝統食品である発酵調味料と玄米甘酒で元気に乗り切りましょう!