発酵って何?②発酵食品の効果・効能・食べるメリット
2023/02/25「健康や美容のために」というキーワードがきっかけでじわじわとブームが広がっている発酵。もちろんその通りなのですが、もっと紐解いてゆくと、発酵は自然や微生物による超神秘的な現象であり、先人の知恵によって何千年もの時を越えて受け継がれ、地域の気候風土によっても特色がある、本当に奥深い世界なのです。日本の歴史と食文化も、発酵食なしには語れないと言っても過言ではありません。
前回は「発酵って何?①発酵食品の特徴」をというタイトルで発酵の事を深堀りしましたが、今回は「発酵食品が体によい理由」を紹介したいと思います。
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発酵食品とは
目に見えない微生物(菌・酵母・カビ)が食材の栄養を分解し、新たな有益成分を産生すること(=発酵)で、①雑菌の増殖が抑えられるため保存性が高まり、②アミノ酸等の旨み成分が生成されて味や香りが良くなり、③栄養価が高まったものが「発酵食品」です。
身の回りの発酵食品 一覧
発酵食品にはどんなものがあるのか、微生物の種類ごとに見ていきましょう
①細菌(乳酸菌・納豆菌・酢酸菌など)
ヨーグルト、納豆、キムチ、塩辛、チーズ、乳酸菌飲料、ナタデココ など
②カビ(麹菌=コウジカビ、アオカビなど)
甘酒、かつお節、テンペ、オンチョーム、豆腐よう など
③酵母(イースト、ビール酵母、清酒酵母など)
パン、日本酒、ビール、ワイン、ブランデー など
④細菌×カビ
カマンベールチーズ、ロックホールチーズなど
⑤カビ×酵母
みりん、焼酎、泡盛 など
⑥細菌×酵母
キムチ、漬物、果実酢 など
⑦細菌×酵母×カビ
味噌、醤油、日本酒、穀物酢、魚醤 など
参考)CJMonmo2023.2月号
このように、発酵は微生物単体だけではなく、複数の微生物が働きかけることで様々な発酵食品が作られます。
和食の基本の調味料「さ(砂糖)・し(塩)・す(酢)・せ(醤油)・そ(味噌)」は、その半分以上が発酵食品から成り立っています。砂糖を甘酒に、塩を塩麹に代用すれば、「さしすせそ」全てを発酵調味料で成立させることもできますよ。
そして発酵は食品だけでなく、アルコールや乳酸菌飲料といったさまざまな飲み物も作り出してしまうという点も興味深いですね。
発酵食品の効果・効能
どうして発酵食品を食べると身体によいのでしょうか。その理由の一部をご紹介します。
①発酵食品は微生物の働きで食材の栄養素が既に分解されているため、消化吸収が早い
②味噌は癌などのリスクを抑える
③発酵食品には整腸作用がある
④発酵食品を食べると免疫細胞が活性化し、免疫力が高まる
⑤発酵食品を食べると健康と若々しさを保てる
⑥発酵食品は老廃物を排出する
⑦発酵食品には抗酸化作用があり、アンチエイジングが期待できる
今すぐ発酵食品を食べたくなるポイントばかりですね…!
ここからは、ひとつずつ解説していきたいと思います。
①微生物の働きで食材の栄養素が既に分解されているため、消化吸収が早い。
発酵食品は、体内に吸収されやすい栄養素に前もって変化していますので、効率よく消化吸収されます。これは、私たちの消化酵素(体内酵素)の節約にも繋がります。 私たちが食事をするとまず胃で食べ物が消化されますが、この時に消化酵素(体内酵素)が働きます。この酵素は、毎日体内で作られていますが、一生のうちに生成される酵素の量には限りがあるため、なるべく無駄遣いしないようにすることが大切です。
②味噌は癌などのリスクを抑える
広島大学名誉教授の渡邊敦光教授の長年の研究により、味噌には、癌や脳卒中、高血圧、放射能などから身体を守るということをマウスによる実験で実証されています。
③発酵食品には整腸作用がある
発酵食品には乳酸菌等の善玉菌(腐敗物質の増殖を抑える働きをする)が含まれている他、甘酒や味噌やキムチには腸内細菌のエサになる食物繊維も豊富に含まれているため、積極的に摂り入れることをおすすめします。
④免疫細胞が活性化し、免疫力が高まる
免疫細胞は腸で作られます。腸には、私たちの身体の免疫細胞の約6割が集中しているそうで、免疫と腸は密接な関わりがあります。発酵食品に含まれる有用菌が腸に到達すると、「免疫細胞をもっと作れー!」という指令を出すため、腸内環境が整うと免疫細胞がさらに活性化し、免疫力が高まるとも言われています。
⑤発酵食品を食べると健康と若々しさを保てる
味噌・納豆は、大豆を原料としているため、女性ホルモンと似た働きをするといわれている大豆イソフラボン、コレステロールを下げる働きがるとされるリノール酸、良質な植物性たんぱく質やミネラルが多く含まれています。
ヨーグルト・キムチ・ぬか漬け等には、乳酸菌やミネラル、食物繊維等が多く含まれています。
発酵食品を食べるということは、栄養価が高い食材を摂取するということだけではなく、体内に生命体(生きている菌)を取り入れるということです。これらの菌が腸で私たちの身体に有益な働きをしてくれることで、健康的な身体と、肌や髪の艶やかさを手に入れることができます。
日本と同じく発酵食品を沢山食べる韓国にお肌がきれいな人が多いのも、発酵食品が身近にあるからかもしれません。皆さんの周りにも、健康的で若々しい「発酵美人」がいらっしゃるはずです。 余談ですが、筆者の周りには毎日朝晩欠かさず味噌汁を飲む人、毎日必ず納豆を食べる人、毎日甘酒やヨーグルトを食べている人、キムチ納豆が大好きな人などなど…発酵オタクとも言える人が沢山います。皆さんやはりお肌がつやつやツルツル、中には年齢よりも若く見える人もいますよ。発酵食は健康と若々しさに繋がると強く信じています。
⑥発酵食品は老廃物を排出する
発酵食品を食べると、腸内環境が整い、老廃物が排出されやすくなります。やはりここでも腸が重要なポイントです。
私たちの身体に溜まった老廃物は、排尿・排便等を通して対外へ排出されます。便秘になると老廃物が体内に留まるため、悪玉菌が増加し、更に腸内環境が乱れるという負のスパイラルが生まれます。したがって、老廃物を排出しやすい生活習慣を意識することも重要です。水分を多く摂り、適度な運動や規則正しい生活も意識したいものです。そのうえで、腸内環境を整える発酵食品や海藻など、食物繊維を多く含む食材も積極的に摂り入れて、老廃物の排出を促す健康的な腸を維持できるように心がけましょう。
⑦発酵食品には抗酸化作用があり、アンチエイジングが期待できる
人間誰もが年齢と共に感じる「老化」。老化の原因は「身体の酸化」、つまり、「身体がサビる」ことです。私たちの身の回りで起きている酸化は、例えば、釘やフライパンなどの金属製品が赤くサビてしまったり、りんごを切ってしばらく置いておいたら変色してしまったり、といった現象が挙げられます。物質と酸素が結びつくことが「酸化」ですが、私たちの体内でも同じ現象が起きているのです。
体内で酸化が起きると、シミやシワ、加齢臭の原因物質の増加、肩こり、肌荒れ、高血圧、慢性疲労等の症状が現れます。
もともと私たちの身体には、尿酸やメラトニンといった抗酸化物質が備わっていますが、20代をピークに徐々に減少していってしまいます。
そこで重要なのが、抗酸化作用の高い食べ物を積極的に食べることです。
抗酸化作用の高い栄養素と食材
・ビタミンA(βカロテン):緑黄色野菜
・ビタミンC:フルーツ、緑黄色野菜、イモ類
・ビタミンE:アーモンドなどのナッツ類、モロヘイヤ、ほうれん草、米油、卵黄、ツナ
・ポリフェノール:お茶類、ワイン、ブルーベリー、ごぼう、ココア、蕎麦、玄米等
発酵食品にも、ポリフェノールやカロテン、フラボノイドなどの抗酸化物質が多く含まれています。さらに、腸内環境も整えてくれるため、免疫細胞も活性化します。 味噌・納豆・ヨーグルト・キムチ・漬物など、いつもの食生活の中で異なる種類の発酵食品をちょっとずつ摂り入れることが必要です。
歴史と伝統の地、会津発の発酵食品もおすすめです。
福島県の西部に位置する会津地方は、周囲を山々に囲まれた盆地です。豪雪の時期を乗り越えた春先に山から流れる綺麗な雪解け水、その雪解け水によって成長する美味しいお米、澄んだ空気に恵まれ、夏と冬の寒暖差が厳しい盆地気候が醸造業に適していることから、味噌や酒の発酵醸造が現在も盛んに行われています。 会津天宝醸造は、明治4年の創業から、味噌・漬物・甘酒等の発酵食品を製造しています。300年以上の歴史がある会津味噌は、麹の香りと深い旨みが特徴の米みそで、毎日のお味噌汁にも大変お勧めです。その他にも、健康イメージの高い玄米を原料にした「玄米オリザーノ甘酒」は、普通の甘酒とは違う玄米独特の香ばしい香りと食感から「まるで食べる腸活甘酒」と、健康のために何かしたいという方から注目されています。初回限定のお試しセットもありますので是非ご利用ください。